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clap016 野蛮な食卓で十五のお題「落とす」。ディーノと雲雀。 ← いくぶん不安定な形で固定され、彼の体の上で雲雀の背中は弓なりに反った。 「きついなら俺に掴まればいい。恭弥、ほら、こっちだ」 自分の服は一枚しかないのに、そのシャツもするりと脱がされていく。対してディーノの方はスラックスも上着もそのままで、かろうじてネクタイの結び目が解けている程度。雲雀は「不公平だ」と唸って見せて、ディーノの肩に手を伸ばす。しかし、スーツを脱がせようとした瞬間に下から突き上げられる。雲雀はあられもない悲鳴をあげて、手首を彼に掴まれていなければ、そのまま後ろに倒れるところだった。 「だから言ったろう? 俺に掴まれってさ」 裸の背中を指が通って、弱いうなじや耳に触れる。そのたびに漏れる声を押さえようとしても、手首は彼に掴まれて、がちりと固定されている。 「どうした、恭弥。気持ちいいなら気持ちいいって言えよ」 ん? とディーノが顔を覗き込んでくる。雲雀の頭は悔しさと快楽と羞恥で一杯になり、他のことが段々わからなくなってくる。わからなくなっていくのに、繰り返し名前を呼ばれて現実に戻される。揺さぶられ、耳を舐められ、ディーノの唇が触れていないところなどひとつもない。暗がりの中で、全てが明らかにされる。 「おい……恭弥」 「――な、に?」 「夜景が綺麗だぜ」 その言葉につられて、窓を振り返った雲雀の顔は真っ赤に染まった。間違いない。狙って言ったのだ。反射的に大窓から視線を逸らし、言った相手を睨みつける。 「なあ、綺麗だろう?」 「……」 「どうかしたか?」 「知……る、か」 故意だ。それも、悪意のある故意だ。全部知っていて、ディーノは「夜景が綺麗」だなんてバカを言ったのだ。ディーノは雲雀の頬に手のひらをあてて、有無を言わせぬ力で押し切った。 「恭弥、ちゃんと見ろよ。繋がってるんだ」 いくら罵っても物足りない。雲雀はガラスに映った自分たちを見ないように、強く目を閉じて彼に反抗した。夜景が明るいのがいけないのだ。カーテンを閉めなかったのがいけないのだ。しかし視界を遮断すれば、やがて耳から犯される。ディーノは雲雀の耳元に唇を寄せ「すっげぇえろい顔だよなあ」と、熱を含んで囁いたりした。 「死んっ、で……」 雲雀は必死に、ディーノを締め付けることを考えた。早く、早く。早く果てさせて、彼に意趣返しをしないと熱はいつまでも収まらない。 ← >>サブリナ/R-18 " clap016 " / 20071006 |